フランス、ボルドー地方の伝統的な焼き菓子であるカヌレー。
ボルドー地方の特産品であることから“カヌレ・ド・ボルドー”とも呼ばれることも。

ボルドーといえば、世界一有名なワイン産地。当時、ワインの透明度をあげる為に卵5〜6個分の卵白を使用する作業では、大量の卵黄が余ったみたい。
「この卵黄、何かに活用できないだろうか?」
という発想から生まれたのが、卵黄を材料に使ったカヌレの意外なはじまり。

「カヌレ」という呼び名は、フランスでの菓子の呼び名を、そのままカタカナ呼びにしたもの。
カヌレの語源は、ボルドーで使われていたガスコーニュ語で「溝」や「フルート」という意味を持つ“canelat”とされているよう。
名前の由来については、焼き上げる形状が“カヌレ(溝のある)”だからという説が一般的。
しかし、中には否定的な見解も。
というのも、昔食べられていたカヌレやカヌレの原型といえるようなお菓子は、今のような型を使って焼いていなかったため。
杖のような形状に生地を巻き付けてラードで揚げる、スティック型のお菓子が食べられていたという説も。
このため「フルート」が由来なのではないかと主張する人も少なくない。

どちらにせよ、カヌレの風味を味わいながら、意外な歴史に思いを馳せてみるのも楽しいかもしれない。